毎年、冬になると当館には「かに」を求めてたくさんのお客様が遠路遥々お越しいただけます。
ズワイガニと松葉蟹の違い、カニミソ、かに漁等のかにに関するマメ知識をご紹介いたします。
蟹の呼び名
ズワイガニ
ズワイガニは山陰地方から北陸地方の日本海の水深約200m~600mの深海にかけて生息しています。 深海域に生息するため、脱皮、季節移動、寿命など生態の解明は十分におこなわれていません。 主に食される500gから1kg超えのカニはオスガニになります。
松葉蟹
松葉蟹は山陰・丹後地方の日本海側の京都府、兵庫県、鳥取県、島根県の港に水揚げされるズワイガニの別称です。福井県では越前蟹とも呼ばれています。また北海道や外国産のズワイガニと種類は同じです。 なぜ松葉蟹と呼ばれるようになったかは、活きた松葉蟹の足身を氷水に入れると松葉のようになるからとか、昔々漁師が蟹を茹でる時に松の葉を使って茹でたから等の説があります。
タグ付蟹
ズワイガニでも各地域の漁港によってブランド名が付けられてます。 京都府の各漁港に水揚げされるカニは「間人(たいざ)蟹」・「網野蟹」、兵庫県の各漁港に水揚げされるカニは「津居山蟹」・「柴山蟹」・「香住蟹」・「浜坂蟹」、福井県越前港に水揚げされるカニは「越前蟹」と呼ばれています。 各港によってカニ足に「タグ」を付けて各地域でズワイガニの差別化を行っていますので各港のタグ付松葉蟹を食べ歩くファンもいるほどです。
セコガニ
セコガニはズワイガニの雌の山陰地方での呼名です。地域によりコッペガニやせいこがにと呼ぶ地域もあります。セコガニの特徴は「内子」と「外子」です。体内にある卵巣「内子」はコリコリとした食感と綺麗なオレンジ色をしており最高の食材です。外子は、内子にはないプチプチした食感が最高です。 またセコガニはオスガニに比べ資源保護の為収穫できる期間が11月初旬から1月初旬までと期間が短く、丹後地方でも人気のある蟹です。
カニはどこでいつ獲れるの?
冬の山陰地方の日本海沖合いで収穫できます。冬の日本海は強い季節風の影響で時化(しけ)の日が多く、ズワイガニ漁は海の男達の命がけの仕事ともいえます。京都府では舞鶴、丹後町、網野町漁協に所属する計17隻の底曳網漁船によってズワイガニが水揚げされています。
資源保護の為松葉蟹の解禁期間は、オスガニが11月6日?翌年3月20日、メスガニが11月6日?翌年1月10日までと決められています。
「カニみそ」はなに?
「カニみそ」と呼ばれているものは、「肝膵臓(かんすいぞう)」といい肝臓と膵臓の働きをしている器官で、「みそ」と呼ばれていても脳みそではありません。 この「カニみそ」は甲羅ごと焼いて食べると濃厚な味と食感が最高です。
甲羅に付いている小さな黒い粒は何?
黒い粒は「カニビル」という「ヒル」の仲間の卵です。「カニビル」はカニに何の害も与えません。 漁場の海底は軟らかい泥で覆われているために、「カニビル」が卵を産み付けることができる硬い場所がありません。そこで、その格好の場所となったのがズワイガニの甲羅というわけです。 この「カニビル」の卵がたくさん付いているほど、ズワイガニの脱皮後の時間が経っており、ズワイガニの身入りがよく、上質であると判断されます。